
軽井沢で向き合う地域コミュニティの在り方
個人が自由に活動でき、ゆるやかにつながり、新たな価値を生み出す場として「軽井沢書店」「Karuizawa Commongrounds」を通じて、書店を核にした地域コミュニティの在り方に向き合い、挑戦し続けています。
軽井沢に文化の灯をともしつづける「軽井沢書店」
緑あふれる豊かな自然に包まれた世界有数の高原リゾートとして、古くから多くの方に親しまれてきた軽井沢。近年は、複合的な機能をもつワークスペースの増加や、自然環境の中で独自の方針のもと教育をおこなう施設の充実などにより、移住者・二拠点居住者も増加し、新たなカルチャーが生まれる場として注目を集めています。しかし、軽井沢は2015年に唯一の書店が閉店して以降、無書店地域となっていました。そこで、私たちは、古くから文豪や諸外国のクリエイターたちに愛され続けるこの地において、文化の灯をともしつづけ、その発信の中心となる書店を目指し、BOOK & CAFEスタイルの店舗として、2018年に「軽井沢書店」を開業しました。

店内には、新刊書籍・雑誌や話題の文庫・コミックなど幅広いジャンルの書籍が並び、地域住民の日常的な需要に応えるほか、軽井沢にゆかりのある作家や作品を集めたコーナーや、軽井沢で暮らす人や訪れる方々に向けた提案性豊かなフェアを展開しており、いつ訪れても新たな発見や出会いにあふれる店舗を目指しています。 また、コミュニティスペースとして、地域の方々の日常の一部となることを目指したカフェ「MOTOTECA COFFEE」を併設しています。地域の方が気軽に立ち寄れ、コーヒーや軽食を楽しめたり、本を読みながら過ごせる空間で、ご家族や友人と、お一人でも過ごせる空間です。淹れたてのコーヒーやこだわりのカレーやマフィン・スコーン・カヌレなども人気です。そのカフェの一部はギャラリースペースとして、アートを身近に感じていただいたり、季節ごとにPOPUPフェアを行ったり、様々なイベントを開催しています。作家を招いたトークショーや、軽井沢ならではのテーマを語り合うイベント、ミュージックナイトなど、軽井沢で暮らす・訪れる方々が緩やかなつながりを感じ、育むことができる場であり続けることを目指しています。
地域コミュニティを深化させる「Karuizawa Commongrounds」
2023年、軽井沢における地域コミュニティの価値をより深める場として「Karuizawa Commongrounds」を開業しました。「Karuizawa Commongrounds」は、「軽井沢書店 中軽井沢店」を中核とし、インターナショナルスクールや、ワインショップ、雑貨、デリなど8つの施設が点在する約3500坪の複合施設です。

「Karuizawa Commongrounds」は、働く、学ぶ、遊ぶ、商う、住まうを自由に実現し、ここに来れば誰かと出会うことも、一人で集中して過ごすこともでき、目的を持たなくても1日ゆっくりと過ごせる場所です。軽井沢で多くの方々が関わり合いを持ち、この場所を通じて関係性を広げ共創し、深化させていくという想いを込めて「コモングラウンズ」と名付けました。
この場所は青山学院女子短期大学の中軽井沢寮として長きにわたり地域の皆様に愛されてきました。その歴史や数々の思い出を大切に承継するために、建物や木々、地形をなるべくそのまま残し、活かしてリノベーションをしました。特に森については軽井沢の植生を持った既存樹の森として、四季の移ろいを感じながら悠々閑々とした時間を味わえます。
コワーキングスペースも備えた「軽井沢書店 中軽井沢店」と
多彩なテナント

「軽井沢書店 中軽井沢店」は、学校関係者をはじめ、地元の方々にとってもそれぞれの思い出が刻まれている青山学院女子短期大学の中軽井沢寮だった建物をリノベーションしました。元の梁(はり)や階段をそのまま残したことで軽井沢における歴史を継承し、シックな雰囲気をまといながらも、光が差し込む開放的で居心地の良い空間です。書店全体はBOOK & CAFEとして「SHOZO COFFEE」のコーヒーとともに書籍を楽しむこともでき、落ち着いた居心地の良い空間でそれぞれの好きな時間を過ごすことができます。
1Fは、「生涯学習」をテーマに自然科学、建築、デザイン、アート、食、児童書の6つのジャンルから選書された書籍に加えて、新刊や話題書など、日々の暮らしを充実させるジャンルも豊富に展開しています。またアートを身近に感じられるような展示や、雑貨、食物販の販売なども行い、地元の方の日常使いから、初めて訪れる方々のライフスタイル提案を担っています。
2Fはコワーキングスペースとなっており、豊かに広がる緑や浅間山を眺めながら1人で集中して作業ができるスペースや、テーブルを中心に複数人で会議ができるスペースなど、多様な働き方を叶える場として、地域住民の方々に利用いただいています。

さらに、「Karuizawa Commongrounds」には、本格的な信州そばを立ち食いスタイルで提供する「OSOBAR」、冷たい煙で燻して素材の奥に眠る旨みを引き出す低温燻製の専門店「軽井沢いぶる」、季節の食材や契約農家から届く新鮮な野菜を使用したお惣菜やスタッフが厳選した雑貨が並ぶ「RK DAYS」、居心地の良い空間と軽井沢の地元食材を使った魅力溢れる朝食とランチの「PUBLIC食堂」、健康な土地で育くまれ、葡萄のもつ野生酵母で醸される美味しいワインを提供する「aVin bio wine shop karuizawa」など、地域に住む方々はもちろん、観光でいらした方も楽しめる多彩なテナントでお客様をお迎えします。施設内はウッドチップの遊歩道で繋がっており、季節ごとに変わりゆく植物・自然を愛でながら回遊いただけます。屋外でコーヒーを読みながら貸し出しのチェアで読書を楽しんだり、ワンちゃんと共に過ごせるだけでなく、様々なイベントを行っています。軽井沢を中心としたファーマーズマーケットや季節ごとのマルシェを開催したり、街の芸術祭や子どもたちの活動の場としても展開しています。
地域の住民やパートナー企業との共創による持続可能な
コミュニティづくり
中部電力ミライズ(株)と「『でんきで絆をはぐくむ』まちづくりを目指した包括的連携協定」を結び、「Karuizawa Commmongrounds」において、将来に向けた地産地消、脱炭素社会を目指した持続可能な再生可能エネルギーの活用を実現するため、屋根に設置した太陽光発電で生み出した電力をEV(電気自動車) に蓄え、施設および隣接地に供給するエネルギーシェアに取り組んでいます。
また、地域コンポストと畑も配備しています。飲食テナントの生ごみをコンポストで回収・肥料化させたり、施設内のインターナショナルスクール「EtonHouse International School Karuizawa」と連携し、子どもたちとともに畑を耕し、地元農家の協力のもと育てた農作物を使って施設内のレストランで一緒に料理をし、訪れたお客さまにふるまうなど、コミュニティ内の食の循環モデルと子ども向けの体験型食育プログラムも実施しています。
「Karuizawa Commmongrounds」内の各施設が、ともに環境に配慮した取り組みで繋がり、持続可能なコミュニティづくりという同じ目的に向けて共創しています。

魅力あふれる地域の一員として
私たちは今後も、軽井沢の地において、書店を核とした地域コミュニティの在り方に向き合い続けます。そして、軽井沢のライフスタイル、暮らしに潤いを与える地域のコミュニティハブとして、私たちが展開する各拠点、あるいは地域のパートナーとの連携や、多岐にわたるグループリソースを活用しながら、持続性・循環性のあるコミュニティ創生へ向けたチャレンジを続けていきます。さらに、軽井沢で培った経験を、さまざまな地域においてパートナー企業とともに魅力あふれる街づくりへの取り組みとして広げていきたいと考えています。
Karuizawa Common Grounds:https://store.tsite.jp/karuizawa-cg/
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