都会と自然が融合する街・二子玉川で、新しい“暮らし”を体験・発見してもらう顧客体験を

ライフスタイルを買う家電店「二子玉川 蔦屋家電」の集客力や空間・提案力を生かした顧客体験設計、次世代型ショールーム「蔦屋家電+」の出展事例を通じたリアルの場を活用したプロモーション

二子玉川 蔦屋家電とは

都市の利便性と豊かな自然環境を併せ持つ街、東京・二子玉川。「二子玉川 蔦屋家電」(以下、「蔦屋家電」)は2015年、「ライフスタイルを買う家電店」をコンセプトに、家電や本、雑貨を通じたさまざまなライフスタイルを提案する複合型店舗として、二子玉川ライズ・ショッピングセンター内に誕生しました。

衣・食・住や音楽、美容など、暮らしのテーマ(ジャンル)に沿って売場が構成され、コンシェルジュと呼ぶ専門知識を備えたスタッフが、お客さまの暮らしに寄り添い提案やアドバイスを行います。

また、インテリア、家具、インドアグリーンからアパレルまで14の多種多様なテナントショップを擁し、さらに「SHARE LOUNGE」も併設し、平日・休日を問わず多様なお客さまが訪れる店舗です。年間の来店客数は約600万人、顧客の約6割が女性で、ファミリーやワーカーを中心に幅広い世代に支持されています。

ブランドの世界観に浸りながら製品を体感できる、イマーシブな顧客体験

「蔦屋家電」の店内には、体験イベントやポップアップストア、展示会などの催しを開催できるスペースが複数あり、年間約200件のイベントを開催、店舗を訪れるお客さまにさまざまなアプローチを行っています。店内エスカレーターを昇って、左右2箇所に位置する接客が可能なスペース「E-room」では、イタリアの家電メーカー・デロンギによる、ブランドの世界観や、全自動コーヒーマシン新製品を体験するイベントが実施しました。

イタリアの家電ブランド、デロンギ(De’Longhi)グループの日本法人である、デロンギ・ジャパン株式会社(以下、デロンギ)。主な事業は日本市場向け家庭用・業務用電気製品の輸入販売で、マルチダイナミックヒーターをはじめとした暖房機器、全自動コーヒーマシン、エスプレッソ・カプチーノメーカーといったコーヒー機器のほか、ハンドブレンダー、電気ケトル等の小型調理家電製品などを展開されています。

今回は全自動コーヒーマシン上位機種「デロンギ エレッタ エクスプロア Wi-Fiモデル(ECAM45086T)」の発売を記念し、デロンギ製品史上初となるコールドブリュー(水出しコーヒー)機能を使って、豆から挽きたて淹れたての本格的なコールドブリューを抽出し、味わうことができるイベントを開催いただきました。

デロンギのブランドの世界観を表現しつつ、イベントを通じて新製品を体験し、より豊かなひとときを過ごしていただきたいとの思いで、「蔦屋家電」にイベント開催のご相談をいただきました。事前の打ち合わせや現地確認を通じて、「コーヒーをもっと愉しみたい、情報感度の高いお客さまが多くいらっしゃるイメージを持った。デロンギのブランド、そして全自動コーヒーマシン新製品との親和性が高い」と、蔦屋家電でのイベント実施をご決定いただきました。

蔦屋家電ならではの「生活提案」を取り入れた顧客体験設計

会場では、コールドブリューの試飲、製品の展示に加え、デモンストレーションやタッチ&トライ(操作体験)などを実施しました。お一人で来場される方から、ファミリー層の方まで、幅広いお客さまにご来場いただきました。

今回は全自動コーヒーマシン上位機種「デロンギ エレッタ エクスプロア Wi-Fiモデル全自動コーヒーマシン(ECAM45086T)」の発売を記念し、デロンギ製品史上初となるコールドブリュー(水出しコーヒー)機能を使って、豆から挽きたて淹れたての本格的なコールドブリューを抽出し、味わうことができるイベントを開催いただきました。

また、蔦屋家電ならではのイベントコンテンツとして、“最高のコーヒー体験”をより特別な体験にする、コーヒーの奥深い世界をテーマとした選書コーナーをE-room内にご用意。「蔦屋家電」のコンシェルジュがテーマに沿って選書した10冊の書籍を通して多角的にコーヒーの世界を探求できるようにしました。より多くのお客さまにデロンギを知っていただき、新製品で抽出するコールドブリューの試飲機会を提供することを目的とした本イベントは、想定の約2倍を超える集客を実現しました。

このように、「蔦屋家電」では家電や本、雑貨を通じた様々なライフスタイルの提案をベースに、高い集客力や、居心地のいい空間、またコンシェルジュによる生活提案などを活用し、訪れる方に新しい体験や発見をご提供することが可能です。

次世代型ショールーム「蔦屋家電+」の顧客体験と、リアルの場を活用したマーケティング

さらに、店内1階に2019年にオープンした次世代型ショールーム「蔦屋家電+(プラス)」は、リアルの場を活用しマーケティングデータの取得やプロモーション活動を支援する定額制ショールームパッケージです。最新テクノロジーを駆使した家電をはじめ、優れた技術を生かして開発された家具、雑貨、食品などのほか最新サービスまで「蔦屋家電+」のキュレーターが厳選し、ご紹介しています。

大きな特徴は、製品を体験したユーザー(お客さま)が創り手(出展者)にフィードバックすることで、創り手を応援できることです。出展者には店頭スタッフが接客時にヒアリングした内容をお伝えし、製品開発や市場分析に活用いただいています。「蔦屋家電+」は、ユーザーと創り手の双方のコミュニケーションにより、未来のプロダクトやサービスづくりを支援しています。
W600mm×D450mmの展示区画を利用するベーシックなプランから、フロア入口のビジュアルプレゼンテーションポイント(大型区画)を使った展示プランまで、幅広い規模の出展が可能です。

ミニマムなモビリティロボット「mibot」

KGモーターズの小型モビリティロボット「mibot」はモビリティ業界で大きな話題を呼んでいる、一人乗りの小型EV車です。小型でエネルギー効率が良い点、原付ミニカー規格に区分され車検や車庫証明が不要、かつ100ボルトの家庭用コンセントで充電可能なため維持コストを抑えて所有できる点が特徴的です。人口減少や高齢化社会の課題解決に向けてモビリティ市場が注目される中、そのコンパクトさとデザイン性、さらにSNSにて製作過程を公開したことによるストーリー性が注目を集め、量産モデルの受注開始を多くのファンが待ち望んでいました。

2024年3月に試作車を公表すると、多くの方から車両を見たい・乗りたいといった声が寄せられ、「蔦屋家電+」にご出展いただくことになりました。「展示場所が限られている状況で、購入希望者に実車を見て、確認できる機会を作りたかったのが出展を決めた理由です」(KGモーターズ・横山文洋氏)「蔦屋家電+」を通じて、製品を知らなかった人や、日ごろ車やバイクの情報に触れる機会が少ない人とのタッチポイントを創出したことにより、新たな認知拡大につながりました。

AIカメラによる「属性データ」の取得と、スタッフによる「接客ログ」の収集

蔦屋家電+では、店内のカメラで、製品に興味を持ったお客さまの属性データ(性別・年齢・滞留時間)を取得します。また出展者向けのWebサービスを利用し、来店利用者の属性や動向をリアルタイムで閲覧することができます。mibotに興味を持ったお客さまにおいては、女性より男性の立寄率(製品前立寄数/来店数)が高く、30~60代の幅広い年代層から関心を集めたことが分かりました。

さらに、常駐スタッフが商品について接客し、店頭でお客さまからいただいた感想・コメントを出展者にフィードバックしています(以下、接客ログ)。mibotに集まった500件を超える接客ログには、ファンからの応援の声はもちろん、実車を見て気になった点やアイデアも多く含まれていました。「すでに知っていた方が遠方から見に来てくださり、その方が実機を見て話された感想やユーザー情報は非常に新鮮でした。これまでリーチすることができなかった、若い世代にも興味を持っていただいたことも接客ログを通じて実感しました。」(KGモーターズ・横山文洋氏)

〈接客ログ一部抜粋〉
最初の頃からネットで見ていたので、実物に触れることができて感動しています。運転席の空間は広くて快適ですね。3Dプリンターで作られた頃を知っている立場からすると、非常に仕上がりが良くてびっくりです(男性・50代)

これからの車として最強じゃないですか? これでタッチパネルの角度が変えられると最高なのに。自分と妻では身長差があるので、固定の位置だと見づらいよね、という意見になりました。(男性・40代)

細かい仕様を知ったうえで試乗された方でも、想像以上の開放感に驚かれていました。また、ユーザー視点から見た製品の改善点は、作り手の次なる製品開発に活かすことができます。

メディア関係者を招いた製品発表会を開催

さらに、フロア内のイベントスペースをご利用いただき、メディア向け製品発表会を実施、ニュースを見た人が「蔦屋家電+」の展示を見に来る、といった好循環を創ることができました。このように、出展期間中にメディア向け発表会や特別なイベントを開くことでプロモーションの山を作り、さらにお客さまを呼び込む、といった長期間のプロモーション計画に活用していただくことも可能です。「メディア向け発表会の実施は、メディア露出をきっかけとした受注数増加にとても効果的でした。」(KGモーターズ・横山文洋氏)首都圏での製品展示の場所として、53日間で3万人近いお客さまに驚き、楽しんでいただくことができました。

「蔦屋家電+」は、お客さまと製品との出合いの場を提供するだけでなく、AIカメラが取得する客観的な属性データや、感想・要望といった生活者の<生の声>を収集することができ、製品を通じてお客さまと創り手(メーカー)をつなぐショールームとして、多くの出展者さまにご活用いただいています。

二子玉川 蔦屋家電:https://store.tsite.jp/futakotamagawa/

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