
蔦屋書店各店や社外との共創による年間300件以上の作品展を開催
「アートがある生活」の提案を、店舗企画やアートメディア展開、商品開発やイベントプロデュースなど、私たちだからできるアプローチでしています。「銀座 蔦屋書店」、「京都 蔦屋書店」を軸に、現代アートを中心とした作品展開催のほか、社外との共創事業を含め、年間300件以上のアートイベントを開催。2023年以降はアジア圏の国際アートフェアにも出展を重ねています。
人気アーティストとの展覧会では、作品集、エディション作品の制作を一気通貫でプロデュース
私たちは、才能あるアーティストの価値を最大化するために、展覧会やイベントの開催、作品集、エディション作品、グッズなどの企画制作、店舗やECのネットワークを通じた販売、プロモーションなど、アーティストが活躍するうえで必要なバックアップを行っています。2023年に中村萌氏の展覧会を「銀座 蔦屋書店」の中央イベントスペースGINZA ATRIUM で開催した際には、展覧会に先立ち、作品集『before the dawn』を準備する書籍編集のチームと、立体と版画のエディション作品を企画するマルチプル制作チームが一年以上前から、開催初日に合わせて準備を進めました。

会員登録を行ったアートファンに向けての招待制イベントも企画。ゲストとアーティストとの直接交流の機会を提供
2023年から開催している「ART SESSION」は、“SESSION”という言葉をコンセプトに始めた、自社企画のイベントです。これまでともに作品展を開催してきた作家を軸に、世界をフィールドに活躍するアーティスト、国内のアートフェアやコンペティションで注目を集めるアーティスト、ストリート、ファッション、グラフィックといった多様なカルチャーをバックグラウンドに持つアーティストなど、現代のアートシーンで新たな表現に挑戦し続けるさまざまな世代の“いま”が交差する、多様な作品のラインナップが特徴です。招待者限定公開日を設け、アーティストと、会員登録を行った特別なゲストが直接交流できるパーティの機会を設定していることも魅力のひとつであり、2024年1月に「銀座 蔦屋書店」で開催した際には、総勢約30名のアーティストが会場に集まりました。同秋には、京都各所で行われていたアートフェアや京都髙島屋とも企画連携を行い、相互送客しながら「京都 蔦屋書店」において初めての ART SESSIONを開催。店内各所に展示された作品はバリエーションに富み、関西方面のアートファンや海外ヴィジターの方にも喜ばれました。

海外アートフェアへの出展やチャリティオークションの開催により、若手アーティストを支援
アジア太平洋エリアでの出店が続き、ブランドイメージが浸透してきている「蔦屋書店」として、2023年以降、海外の国際アートフェアへの出展を重ねています。「ART TAIPEI (台北) 」を皮切りに、2024年4月に「ART ONO (ソウル) 」、8月に「ART 021 HONGKONG(香港)」、11月に「ART 021 SHANGHAI(上海)」にも参加。私たちの活動に共感するアーティストを世界に向けて発信しています。また、2024年秋には、「ASUEチャリティーアートオークション」を株式会社Artfieldと共同開催。若手アーティストが海外で挑戦するための支援を目的とした本収益の一部は、独立行政法人 国際交流基金を通じて、アーティストが海外で挑戦するための資金として寄付される仕組みです。このような私たちの継続した取り組みが、日本の現代アートの発展の一助となることを目指しています。

アート作品やアートブックのセレクトによる、コンセプトのある空間ディスプレイの提案で企業へのアート導入支援も
専門知識をもつスタッフが法人・個人の顧客に関わらず、アート作品のコレクション、新規オープンする空間へのアート作品提案など、目的やシチュエーションに合わせた印象的な空間のプロデュースを行っています。選書ディスプレイにおいては、施設コンセプト、ターゲット、空間デザインに合わせてストーリーのある書棚のコンセプトワークや空間演出をディレクションします。
事例①:リッチモンドホテルプレミア東京スコーレ(アールエヌティーホテルズ株式会社)
「Club Culture」をコンセプトに新たな文化と出会い、探求し、楽しむ時間を提供

体験型ホテルとして様々なカルチャーを「蔦屋書店」の切り口で捉え、書籍、家電、インテリアなどを用いて多層的に空間をプロデュースしました。「Club Culture」を全体のコンセプトとして、カルチャーを楽しみたい人々が集う「ホテルの中にあるもうひとつのホテル」をイメージしています。「銀座 蔦屋書店」がアートディレクションした13階のコンセプトフロアでは、「江戸から東京へ」の時代の変遷をアートブックによって表現したほか、押上の風景を切り取る写真をシルクスクリーンで重ねた増田将大氏の作品、ホテルのコンセプトを象徴する「アンディ・ウォーホル」の肖像画を描いた三澤亮介氏の作品、そして客室には絵本や塗り絵を手掛ける小林マキ氏の温かみと物語性がある作品など、部屋のテーマに合わせた絵画が飾られています。
掲出作家:増田将大、三澤亮介、津上みゆき、太田桃香、ブルーノ・ムナーリ、小林マキ、ナタリー・ドゥ・パスキエ、ナイジェル・ピーク(2024年時点)
事例②:ウイングヒルズ白鳥リゾート内 The BASE(Alpen Group)
白鳥(しろとり)の自然をイメージしてスキーリゾート内の各施設内にアートワークを展示

大自然のなかでスキーを楽しむゲストがくつろぎの時間を過ごすためのアート作品を、リゾート内レストランをはじめとした施設各所に展示しています。リゾートの位置する白鳥(しろとり)の地名や、石徹白(いとしろ)の地名についてひもといてみるとわかる、ヤマトタケルが大きな“白い鳥”となった物語や、イザナミやイザナギと“白い雲”の伝承や歴史についても思いを馳せながら、リゾートの美しい風景にも新たな目線で向き合うきっかけとなるような作品となるよう、施設、アーティストとのやりとりのもと、一部はアーティストが新たに制作をし、設置しています。
掲出作家:前田紗希、谷口洸、今井みのり 他(2024年時点)