共創型プラットフォーム「V みんなのエシカルフードラボ」 第4回「食のサステナビリティフォーラム2024」を開催

2025.04.10 プレスリリース
CCCMKホールディングス株式会社

―エシカルな商品は消費者価値になり得るかー

 

CCCMKホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:髙橋 誉則)が取り組む共創型プラットフォーム「V みんなのエシカルフードラボ」(https://ethicalfoodlab.tsite.jp/)は、2025年3月27日(木)に、第4回「食のサステナビリティフォーラム2024」を開催いたしました。

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「食のサステナビリティフォーラム2024」はVポイントの購買データや調査結果の分析、各社事例をもとにエシカルな商品の消費者価値の創り方・伝え方の示唆につながる情報を提供し、エシカルフードにおける消費者価値を明らかにしていくことを目的にしています。2024年7月19日(金)の第1回を皮切りに、食品メーカー、流通、テックなど業種・業界の垣根を超えたステークホルダーの皆さまにご参加いただき全4回開催いたしました。

第4回「食のサステナビリティフォーラム2024」について

CCCMKホールディングスは、3月27日(木)、東京都・渋谷区で第4回「食のサステナビリティフォーラム2024」を開催いたしました。イオンリテール株式会社 、エシカル・スピリッツ株式会社、株式会社共同通信、相模屋食料株式会社、 株式会社セブン&アイ・ホールディングス、株式会社TNC、 株式会社ニチレイフーズ、ハウス食品グループ本社株式会社 、ハウス食品株式会社、 株式会社日立ソリューションズ、株式会社マルエツ、株式会社Mizkan Holdings、明治ホールディングス株式会社 (※五十音順)より計27名の方にご参加いただきました。
最初に、「持続可能な食に関する方針とエシカル消費促進に向けた取り組み事例」と題し、イオンリテール株式会社 MD本部 商品戦略部 部長 横田大輔さまより、30年以上続けてこられたサステナブルに関する取り組みや、プライベートブランド「トップバリュ」におけるエシカル商品の展開や今後の展望、またサプライチェーン全体を挙げての取り組み事例などについてご紹介いただきました。
次に、「エシカルフードの販売に関する取り組み事例」と題し、「V みんなのエシカルフードラボ事務局」湯浅知里と株式会社マルエツ 経営管理本部 経営戦略部 髙橋彩乃さまより、「エシカルフード基準」をもとに選定したエシカル商品の実店舗における実証実験について紹介いたしました。
最後に、「食のサステナビリティフォーラム2024総括および今後の活動計画」について、CCCMKホールディングス株式会社 瀧田希よりご報告をさせていただきました。

持続可能な食に関する方針とエシカル消費促進に向けた取り組み事例 

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イオンリテール株式会社
MD本部 商品戦略部 部長 横田大輔さま
イオンリテール株式会社では、ゼネラルマーチャンダイジングストア業態として、食品のみならず、衣料、住居・余暇、ヘルス&ビューティケアなどお客さまの日々の暮らしに密着した商品を提供しています。そのなかで、出店地域の皆さまと実施してきた植樹活動や 現在「マイバッグ」としてご愛顧いただいている"買い物袋持参運動"など、30年以上前より地域社会と共に環境課題に取り組んできました。
またプライベートブランド「トップバリュ」では環境配慮マーク(3R:リデュース/リユース/リサイクル)の導入をはじめ、専用ページ「トップバリュ.net」による取り組み推進度の実数公開などエシカルの"見える化"を促進しています。さらに25年度計画では、環境配慮商品の拡大をはじめ、PETボトル飲料全品にリサイクル素材を使用する「資源循環」、商品CFP(カーボンフットプリント)算定品目拡大による「CO2排出可視化」を掲げており、さらなるお客さまのサステナブルな生活への貢献を目指しています。
現在3,448SKUある「トップバリュ」環境配慮商品のなかでも「スポッとecoボトル」を活用した「ドレッシング」は、内袋を取り出して最後まで使い切れるだけでなく外容器は洗わず手軽にリサイクルできることが好評を博しています。また商品ラインナップが拡充している「ラベルレス商品」についても、ラベルをはがす手間が省けることで「ゴミの分別がすごく楽」というお声が広がっており、多くの方にご愛用いただいています。このように商品の便利さについて直感的に「いいね」と思っていただける状態がエシカル価値の"見える化"だと思います。「楽だな」「時短でいいよね」といった顧客視点のベネフィットをしっかりと押さえたうえで、環境負荷軽減につながるというストーリーをご提案することでエシカル商品の定着化は促進されていくのではないでしょうか。
一方で、エシカルな取り組みがなかなか伝わらないことも事実です。それでも伝えていく、見えるようにしていくチャレンジを諦めてはいけません。そのためにはサプライチェーン全体でエシカルという言葉の意味をしっかりと生活者に伝えていくことが大切だと思います。その一例として、イオンでは2008年より小売業とお取引先様の連携を目指した「地域イオン会」を発足し、昨年の6月、10月の環境月間には「えらぼう。未来につながる今を」フェアを実施しました。メーカー様と連携した環境配慮商品を、イオングループ全店での集合展開や共通POPの取り付け、全国12店舗での特別催事で展開するなど、対人販売のコミュニケーションによるエシカル価値啓蒙に、お客さまをはじめ多くのメディアの皆さまにもご注目いただきました。
今後もイオングループでは、「1人ひとりの笑顔が咲く 未来のくらしを創造する」というグループ共通ビジョンの下、自然溢れる豊かな社会、その未来を創造していくために、様々なステークホルダーの皆さまと連携しながら次世代につなげていくエシカルの取り組みを拡大していきたいと思います。

エシカルフードの販売に関する取り組み事例

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「V みんなのエシカルフードラボ」事務局
湯浅知里
「V みんなのエシカルフードラボ」では日本におけるエシカルフードを定義するために、サステナビリティや食に関わる有識者12名をはじめ英国のEthical Consumer Research Associationにも参画いただき、企業評価とフード評価から成る「エシカルフード基準」を2022年3月に策定しました。
その後、エシカル商品を消費者に提示する試みとして、店頭販促物(POPやフラッグなど)でエシカルイシューをわかりやすく訴求するエシカルフードセレクトショップ「Hello,エシカル!~お買いものから地球を考える~」を代官山 蔦屋書店にて実施しました。2022年10月に実施した第1回では「エシカルフード基準」を満たしたチョコレートとコーヒーを、2025年1月に実施した第2回では「エシカルフード基準」を基に"エシカルに取り組んでいる商品"として選定した平飼い卵のマヨネーズをそれぞれ展開しました。その結果、チョコレートとコーヒーで約9割、マヨネーズで約5割のご来場者の購買意向が高まり、企業が社会課題解決の取り組みについて発信する場を設けることで、消費者の企業に対する共感を生み出せる可能性が示唆されました。
また一般的なスーパーマーケットでも同様の検証をすべく、株式会社マルエツ様にご協力いただき「リンコス リバーシティ店」(東京都中央区)、「リンコス ベイタウン店」(千葉県千葉市)の2店舗にて「エシカルフードフェア」と題した実証実験を行いました。フェアに際し、実際に当該店舗で取り扱う商品から「エシカルフード基準」を満たした32SKUを選定し、専用Webページやプライスポップなどの店頭販促物を作成して、エシカル商品のポイントをわかりやすく訴求しました。
その結果、対象商品の売り上げの前年同月比が「リンコス リバーシティ店」では187%、「リンコス ベイタウン店」では275%となりました。またVポイントの購買データを分析したところ、購買者は対象店舗のヘビーユーザーの割合が多く、また「マルエツ」全店の利用者と比較して40代女性の割合が非常に高いという結果がわかりました。
現在、売り場におけるエシカル価値の"見える化"に注目が集まっているなかで、今後はクリエイティブについてもどんどん改善を図っていきたいと考えています。「エシカルに関心がある方だけでなく、関心のない方がどうすれば手に取ってくれるのか」について、美味しさや便利さなど商品の本質的価値をエシカル価値に結び付けていく試みにチャレンジしていきたいと思います。

株式会社マルエツ
経営管理本部 経営戦略部 髙橋彩乃さま
「リンコス」はもともと社会貢献や健康意識の高いお客さまが多く、本取り組みを経てその傾向が強いことを改めて実感しました。期間中の店舗でも、売り場で立ち止まりポップを熟読されているお客さまや売り場全体のお写真を撮影されているお客さまもいらっしゃったようです。
加えて、従業員の皆さんからも大変興味を示していただき、キャンペーン終了後も購買数の多かった対象商品は定番商品として採用し、エシカルなポイントを説明する"コトポップ"で訴求しながら継続して積極的に売り場づくりをしています。
一方で、現場や企画のメンバーからは「エシカル商品のSKU数を増やしてほしい」という声が挙がりました。今回は日配品が多く取り上げられましたが、店舗のマネージャーなどからは「お菓子など気軽に手に取って楽しめる、キャッチーな商品も増やし欲しい」との要望がありました。
今後は、ほかリンコス店舗でもそれぞれの売り場の環境に合わせた展開で、エシカル商品の訴求を進めていきたいと考えています。

食のサステナビリティフォーラム2024総括及び、今後の活動計画 

CCCMKホールディングス株式会社
「V みんなのエシカルフードラボ」リーダー 瀧田希
「食のサステナビリティフォーラム2024」では、食品メーカー、流通、ITソリューションなど業界の垣根を超えた参加者の皆さまと共に、日本におけるエシカルフード市場創出に向けて「エシカルな商品の消費者価値」 の模索を1年間続けてきました。その中で、エシカル価値そのものを前面に訴求しても、マスの消費者価値には繋がりにくく、消費者視点のニーズとエシカル価値を結びつけることを意識した商品開発の必要性や、Z世代の価値観における「楽しさ」をエシカル商品にインプットしていく可能性、また流通の現場における消費者価値に転換したコミュニケーションの重要性などが見えてきました。
2025年度の「食のサステナビリティフォーラム2025」では社会実装のフェーズとして、エシカルな商品をどのように見せると消費者価値となり、購入につながるか? の検証にチャレンジをしたいと思っています。
日本では「エシカル=価値」と捉える方のパイは少ないのが現状であり、「美味しさ」や「品質/健康」、「誰と楽しむか」といった食品そのものに求められる価値に、エシカル価値を紐づけて訴求することが必要です。今後は、エシカル商品が消費者価値に転換され、購入意向が高まりやすくなる具体的なコミュニケーションについて、アンケート調査や実際の売り場での検証を通じて探求していきたいと考えています。
2025年10月には「代官山 蔦屋書店」にて「オーガニック」、「フェアトレード」、「アニマルウェルフェア」、「サステナブルカカオ/コーヒー」、「サステナブルシーフード」、「食品ロス(アップサイクル) 」、「サステナブルパッケージ」など幅広いエシカル商品を対象テーマとした実証実験を実施する予定です。また一般的なスーパーマーケットにおいても同様の検証を行いたいと考えています。
さらに今後のフォーラムでは、調査・分析を通じた仮説づくり、実際の売り場における検証から見えてきた知見について皆さまと一緒に議論し、仮説の精緻化や実際のマーケットで活かせるアウトプットまで追求していきたいと思います。

ご参加いただいた方からのコメント

相模屋食料株式会社 関東営業部 兼 三之助営業部 部長
篠原 誠司 さま
"エシカル消費→個々人の対応/行動はまだ限定的である"という事が前提としてある中で、流通(小売)側からの視点での課題を共有いただき、個人的に大きく知見が拡がりました。
イオンリテール様のドレッシングの例のように、消費者に対して"イイね"を感じていただく"きっかけ"が必要なのだろうと考え、メーカー側(造り手側)として偶然を必然的に作り出すことを考えていきたいと感じました。
「大豆」=「畑の肉」まさにエシカルフードの代表ともいえる「豆腐」を拡げる立場として、エシカル消費の拡がりに「豆腐」が寄与できるよう、今後の自身の考えに活かしていきたいと思いました。

CCCMKホールディングスは、生活者、メーカー、流通など「食」に関わるあらゆるステークホルダーの皆さまと共に、エシカルフードが社会に少しでも浸透していくこと、そして「V みんなのエシカルフードラボ」の活動ひとつひとつが、未来につながる食の循環を作ることに貢献してまいります。

■本件に関する資料

共創型プラットフォーム「V みんなのエシカルフードラボ」 第4回「食のサステナビリティフォーラム2024」を開催

■本件に関するお問い合わせ
CCCMKホールディングス株式会社
事業広報グループ
TEL:03-6800-4464
MAIL:cccmkpr@ccc.co.jp