TSUTAYA書籍・雑誌2021年年間販売総額1376億円

～「書店ゼロの街をなくす」全国各地に多様な出版物が届き続ける社会を目指す取り組み～

カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社 蔦屋書店カンパニー（本社：東京都渋谷区／社長執行役員：梅谷 知宏／以下、TSUTAYA）は、2021年１月から12月までの国内書籍・雑誌販売額が1376億円（売上前年比96％）となったことをお知らせいたします。

マイナスの主な要因として、2020年における『鬼滅の刃』（作者：吾峠呼世晴/出版社：集英社）の爆発的ヒットによるコミック売上の反動と、市場的にも落ち込みの大きい雑誌の売上減が影響しています。

一方で、「書店ゼロの街をなくす」というスローガンを掲げ、「出版流通改革」に取り組み、出版業界全体において最適な利益を創出することで、全国各地に多様な出版物が届き続ける社会を目指す歩みを続けています。

■新店舗オープンと新規加盟企業様による出店強化
2021年1から12月は、書店を展開するTSUTAYA・蔦屋書店の新規オープンおよび、新規加盟により合計38舗（海外含まず）の新店舗が誕生いたしました。

大正2年に創業し、広島県を中心に展開する老舗書店「フタバ図書」にTBN（※1）に新規加盟いただきました。「フタバ図書」が長年培った書店運営のノウハウや豊かな人材、お客様との信頼関係を活かし、CCC独自のデータベース・マーケティングや企画力、知的資本と掛け合わせることで、提案性の高い店舗づくりに取り組んでいます。

　さらに、異業種の新規加盟として、株式会社名鉄百貨店にご加盟いただき、名鉄百貨店本店[本館]8Fに、東海地区初の「SHARE LOUNGE」を有する「TSUTAYA BOOKSTORE 名鉄名古屋」をオープンいたしました。従来の名鉄百貨店をご利用いただいているお客様に加え、新規顧客層のお客様にも足を運んでいただき、ご愛顧いただいてます。
（※1）TBN（TSUTAYA BOOK NET WORK）：「TSUTAYA」「蔦屋書店」店舗チェーンの中で、主に書籍・雑誌販売のフランチャイズとして展開するネットワークの総称です。

■「次世代作家文芸賞」の開催とオリジナル商品の強化
　新たな取り組みとして、「これからの書籍・漫画業界を担う次世代作家を支援する」ことを目的とした、"作家のみなさまの執筆環境から全国販売までを総合的に支援する"これまでにない文芸賞"として初めて「次世代作家文芸賞」を開催しました。これによって4名の新人作家が誕生し、今後、執筆作品を全国のTSUTAYAの店頭で展開してまいります。

なお、「ライトノベルス文芸部門」で大賞を受賞した、谷 明 著『転移に巻き込まれた歌舞伎町のネズミ』、狭倉 朏 著『新入りは騎士団長！～デスクワークから逃げ出した歴戦の騎士団長、一からやり直すために見習い騎士になる～』、の2作品は、株式会社アース・スター エンターテイメントより、3月16日（水）に発売開始しています。

　さらに、TSUTAYAや蔦屋書店でしか購入することができないTSUTAYAオリジナル商品の展開も強化しています。2021年は特に、オリジナルコミックグッズの取り扱いを強化いたしました。『呪術廻戦』をはじめ、『東京リベンジャーズ』、『五等分の花嫁』など、様々な人気アニメ作品のオリジナルコミックグッズを販売し、関連商品の年間売上は約6.6億円となりました。オリジナルコミックグッズを通じて、多くのお客様に、作品の世界観をより深く楽しんでいただいています。

■「出版流通改革」への取り組みと独自開発のAIを活用した新発注システム
　TSUTAYAは、「書店ゼロの街をなくす」をスローガンに、全国各地への書店の出店や、地域に根差した店舗づくりに加え、「出版流通改革」として、縮小する市場において、各出版社が多種多様な出版物を発行し続け、それらを、書店を通じて多くのお客様に届け続けることを目指しています。

　そのために、出版業界に携わるすべてのステークホルダーが最適な利益を創出するため、雑誌・書籍の買切や、発注の効率化をはじめとする返本率削減と粗利率改善に引き続き取り組んでいます。

　書籍買切りについては、TSUTAYAの取り組みにご賛同いただき、ご協力をいただいている出版社様は書籍売上シェアの30％を超え、出版業界の未来のため、各社一丸となって粗利改善に取り組んでいます。

　また、書店の発注においては、新刊発注の需要予測や、店舗在庫商品の店舗ごとの潜在需要に応じた最適な配本の自動化を実現する独自開発のAIを、2022年度上半期中に新発注システムとして、TBN加盟企業への導入を開始いたします。

　これにより、過剰発注によって発生する返本を削減すると同時に、地域のお客様に求められる商品を、店舗ごとに魅力ある品揃えとして実現し、人が集い、つながる場となる書店づくりに繋げてまいります。

　TSUTAYAは今後も、「書店ゼロの街をなくす」というスローガンのもと、「出版流通改革」による業界全体における最適な利益の創出によって、新規出店をはじめ、地域の書店との連携や、新規加盟を推進してまいります。

　そして、より多くのお客様に書店での「時間」を楽しんでいただけるような「生活提案の場」として、独自のデータベースマーケティングと企画力によって、お客様に良質な作品との出会いを創出し続けることによって、出版文化の継承に貢献してまいります。